3月4日


恋人と近所のバルへ行った。


朝から楽しみにしすぎていて何も食べていなかったわたしたちは空腹でどうにかなりそうで、揚げたてのナチョス(これがほんとうに最高)にワカモレを重たいくらいのせたのを頰ばったときの、そのあまりのおいしさと幸福感に、おかわりまでした。


こういう店で外食をするとき、わたしはとても野生的な、いい気分になり、サラダやパスタやスープカレーなんかよりも、肉や魚介類が食べたくなる。


オリーブと海老のアヒージョがテーブルに運ばれてきたときなんかは、器用に頭から身を外していく恋人に、頭を食べてみせて、とせがんだ。なんとなく、海老を頭からバリバリ──これは鮎の塩焼きだとか、子持ちししゃもでもそう感じる──食べる姿はうつくしい。食べる、という行為は、どんなに装飾しても、野蛮で、セクシーだ。人目さえなければ、食事は手や口の周りを思いきり汚して食べたいし、食べてほしい。これもおいしくて、バケットをおかわりした。



お酒を何杯か飲んだあと、油でつやつやした唇で「帰ってお米が食べたいね」と話しながら傘をさして歩いた。






aoyagi haruko

とるにたらない日々